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湊かなえ「少女」原作小説の結末!映画との違いは

湊かなえさんの小説「少女」は2009年に発表されました。
女子高生の話ですが、原作小説の結末はかなり衝撃的です。「因果応報」がやってきます。
小説は遺書から始まって遺書に終わります。
最後は張られていた伏線がきれいにはまってイッツアスモールワールド的に収束。だけど湊かなえワールドらしく、決してハッピーエンドとはいかないのです。

 


 

 

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湊かなえ「少女」原作小説の結末

夏休み直前、由紀と敦子は、転校性の友人・紫織に前の学校で親友の死を見たと聞いたことをきっかけに、死を見ることを求めて夏休み中それぞれ病院と老人ホームで活動することになる。お互いそれを知らなかったが、敦子の行っていた老人ホームには由紀の祖母が入居していて由紀はその人の窮地を救い、由紀が探すことになる病院でかかわった男の子の父親もまたその老人ホームで働いていた。
由紀が敦子のためだけに書いた小説を盗作して賞を獲った教師小倉が死ぬ場面を、由紀のカレシの牧瀬が目撃していて、記念に拾ったというその時紙吹雪みたいに落ちてきたたくさんの紙片は、破られた由紀の原稿であった。
由紀は小倉のパソコンから成績表を漏らし、敦子は小倉と交際しているセイラのことを学校裏サイトに書き込むが、それらがきっかけでセイラと小倉が自殺していた。
小倉が盗作した小説がきっかけで由紀と敦子は気まずくなっているが、これまで読みたくても読めなかったその小説を敦子は老人ホームでしりあった男の子の父親のオッサンのおかげで読むことができ、由紀の本当の気持ちを勘違いしていたことを知る。
紫織は夏休み明けに、由紀と敦子が好きなブランドのバッグを持ってきたが、そのお金は前に嘘チカンで稼いだもので、男の子の父親もその被害者の一人であった。紫織の死んだ親友とはセイラで、最初セイラは小倉を嘘チカンのターゲットとしていた。
そのブランドものを買うためのお金を得ようと由紀は男の子の父親を探す過程で猥褻の被害にあった中年男に示談を持ち掛けるが、男が拒否したため事件は発覚。その男は紫織の父親で、紫織は遺書を残して自殺してしまう。

 

原作小説「少女」の感想

結末をうまくまとめられなくて、ずいぶんだらだらになってしまいました。
伏線はもっとたくさん張られていて、細かい因果応報がもっとたくさん出てくるのでホントは結末に書くべき因果応報をミスっていて書かなくてもいい方を書いているかもしれません。
あまりに上手にいろんなものがはまって、世の中狭いなーと思ったけれど、それはまたそれで意外でもありました。
主人公たちの不安でたまらない感じが伝わってきて、きっと多くの人が身に覚えがある感覚なのだと思う。
小説は由紀と敦子の部分が交互に出てくるのですが、読み始めはどっちがどっちかわからなくて、あとから読み返しました。よく読むとわたしとあたしなのだけれど、それ以外は同じ学校に通う同学年の同性なわけで、全体の雰囲気が似ているのはあたりまえだろうし、そこがこの小説の特徴でもあると思われます。
湊さんの小説はやっぱり自分と重ねてしまって、自分が高校生ではなくなってからは、女子高生って怖いって実はいつも少し思っています。なぜかを説明するのは難しいけれど、なんていうか見た目や行動に頭の中の考えが表れていないところなのかもしれません。
由紀が書いた「ヨルの綱渡り」の結末もバラしてしまうと、渡っている綱は橋の上に置かれている。暗闇ではそれがわからないのだけれど。思いがけず闇に落ちてしまうことってありますよね。そしてはっきりとそこから抜けたとわかるときがある。それをわかってくれる友人がいるなんて、由紀と敦子はとてもうらやましいです。死ぬほど追いつめられるようなことをいちばん打ち明けたくないのは、同じ集団に属している人たちで、なかでも、友だち、っていう文が序章に出てきます。ここはよく見るとアスタリスクが2つついていて、最初に読んだ時にはわからないけれど、ここは敦子の独白です。敦子はどうしてこんなことになってしまったんだろうと言っているけれどそれはきっと由紀のような存在がいなかったからなのかな。

 

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映画「少女」はどうなる

原作小説の重要な登場人物に、昴と太一という入院している少年がいるのですが、映画の公式サイトを見ると、昴と太一が出てこないので、どうやら病院エピソードはカットなのかもしれませんね。

原作小説では、この少年たちが引き起こした出来事で、由紀と敦子の友情の盛り上がり部分が訪れています。

少年のために由紀は紫織の父親に出会うわけで、それきっかけで紫織が自殺する結末はどうなるのだろう。

また、映画では、敦子がクラスでいじめられていたり、高校の剣道の団体戦でミスしたことになっていますが、小説では敦子がミスしたのは中学の時で、表面ではみんななぐさめてくれたから仲間っていいなって思ってたところを裏サイトで悪口をかかれてて、それで推薦が決まっていた黎明高校も断って今の桜川高に進学し、小倉が黎明の生徒は優秀で桜川高はバカだと日記に書いていたことから頭にきて裏サイトにセイラのことを書き込む、という設定です。
敦子が剣道を辞め推薦を断って裏サイトの悪口は終わったのに、仲間は全員黎明高校に受かり、敦子は過呼吸発作を起こすようになった。かなり重要な設定だと思うけれど、これは省かれてることになります。

一方で公式サイトに載っている原作者の湊かなえさんのコメントでは、「素晴らしい映画に仕上がっていて」、とあるから、きっと原作の意図を外したものにはなっていないということでしょう。

きっと映画には小説にない設定もあるのでしょうね。

映画はどんな「少女」になるのか。

 

おまけ

わたしが持っている文庫版の「少女」のカバーはこれです。

映画のカバーになっているバージョンです。

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冒頭にあるのは通常の文庫版です。

単行本のものがステキです。

 


 

 

どのカバーもよいけれど、個人的には単行本のものがいいな。文庫版も映画の後はこの単行本版になるといいのに。