川村元気「世界から猫が消えたなら」原作小説の結末と猫と映画の猫

川村元気さん原作の小説「世界から猫が消えたなら」の映画が公開されますね。

小説は、LINE小説から大ヒットした作品で、2013年には本屋大賞
2016年にはついに映画の公開となりました。

映画の予告編を見ると、わたしのイメージしてた街の様子や猫のイメージにぴったりで、本編を見るのがとっても楽しみです。

 

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小説「世界から猫が消えたなら」の結末

原作小説の結末では、僕の1日の命と引き換えに、世界から猫を消すことを悪魔に持ち掛けられた僕が、世界から猫を消さないことを決断。

自転車に乗って隣町に住む父に会いに行く場面で、小説は終わります。

僕はこれから行く。隣町に住む父のところに行く。
ペダルを踏みこみ、坂道を下りていく。
どんどんスピードが上がる。
あの町が、近づいてくる。p.219

主人公である「僕」は、死ぬ前に、「この世界が十二分に美しく生きていることの素晴らしさを知った」、という結末です。

映画では「世界は愛であふれてた。」とコピーが入っていますね。

 

原作小説の猫と映画の猫

小説の中に出てくるキャベツの形容は、
丸くて白と黒とグレーのアンサンブルが見事、
フーカフーカとした感触、
温かい、
~でござるか、という話し方をする。

単行本と文庫本のカバーには猫の写真が載っていて、こんなかんじ。

 

世界から猫が消えたなら [ 川村元気 ]
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これがキャベツかどうかわからないけれど、色味から言ってキャベツをイメージしているのかな。
このイメージでは美人さんの細身の小さい猫といった感じです。

一方の映画のキャベツはこちら。

 

色味は似ていますが、顔が丸くて全体も丸くて、思わずうなっちゃいます(笑)

本を買う前にカバーを見ているわけですが、正直、中味を読んだら、カバーの猫のイメージと自分がイメージした猫とは違うな、と思ってました。
と思ったら、映画に出てくる猫は、わたしのイメージとぴったり。

ううー、まずこのキャベツの演技が見たいっと思いました。

本のほうは、子どもの頃のキャベツやレタスをイメージしているかもしれませんね、もしかすると。


感想

小説「世界から猫が消えたなら」のいちばんの読後感は、コミックを読んだ感じでした。

文庫になってから、コンビニで見て買った本なのですが、そのときまで川村元気さんという作家さんを知りませんでしたし、話題になっている本だということも知りませんでした。なぜ買ってしまったのかいまいち説明できませんが、きっとタイトルだったかもしれません。
(おそらくコンビニで売ってる時点で話題の本なのでしょうが)

川村元気さんは、映画プロデューサーをしていたそうですね。
だから消えるものに映画が出てくるのかな。

「世界から猫が消えたなら」は、よく「哲学的」、と評されていますが、寓話的なところをいうのか、それとも個人の経験を呼び起こすところを言うのでしょうか。

わたしの買った文庫本の解説は、中森明夫さんが書いています。
解説もおもしろかったな。
というかたいていわたしは解説を楽しみにしていて、解説があまりよくないと(個人的な感想ですが)、本編そのものもなんだかよくなかった気がしてしまうほどです。

つまり解説がすてきだと本編もぐっとおもしろかったと印象付けられてしまうわけですが、わたしの場合(笑)

その解説にありました。

すべての喪失した人たちの心に響き合う。だからこの小説は特別であり、すごいんだ。p.228
「愛する」とは「消えてほしくない」ということなんだ!p.229

なるほどー。
同感です。

わたしのこの小説のイメージは、曇りの日のようなグレーです。
風があってもないようなどんよりで、静かで、それでいて重苦しいというわけではなく、寒くもなく暑くもなく色もなく、だけどフーカフーカしてるような。

映画になっても淡々とパンチしてくるって感じで盛り上がりとかあるのかな、とあまりに小さく想像していましたが、どうやら予告編を見ると、劇的な映画になっているようですね。

それでいて、わたしのイメージしたさびた曇りの日の色が、ずっと漂っているようで、主演の佐藤健さんや宮崎あおいさんの攻撃的じゃない美しい感じとかが小説と重なっているように思いました。

函館で撮影されたということですが、函館行ったことない。これまで興味なかったけれど、今度行かなくちゃ。そういえば昔、映画を見て尾道に行きたいって思ったの思い出します。こちらも行ってない(笑)忘れるのが早い。。

そしてもちろんキャベツがみたいです。
キャベツ、話すかな。だったら声はだれだろう。

オーディオブック版では、高野麻里佳さんという女性声優さんが担当していました。

映画を見るの、楽しみです。

 

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