「海の星」原作小説の結末!湊かなえ「望郷」より ドラマはどうなった
「海の星」は、湊かなえさんの短編集「望郷」の中でいちばん心に残った。テレビ東京でドラマ化されるという。
小アジ、口に残る小骨、釣り、失踪した父と母とおっさん。洋平はちゃんとした大人になっていた。苦い思い出を抱えていたのだけれど。
sponsored link
「海の星」の結末
おっさんは、漁で洋平の父の遺体を引き上げていたのだが、通報せず海に戻した。しばらくして尋ね人のポスターを見て驚き、真実を伝えるためと罪滅ぼしのために洋平のところへ来ていたのだが、結局真実を告げられなかった。
そのことをずっと悔やみ続けていたおっさんは、病気をきっかけに娘の美咲に真実を告げ、洋平も真実を知ることになった。
洋平のおっさんへの誤解は解け、父を待ち続けたままこの世を去った母も本当は父が海で亡くなっていることを確信していたのではと悟る。洋平は次の休みに妻子とともに白綱島へ帰り、おっさんに船を出してもらって母の生前の望み通りに海に遺灰を撒こうと考える。その時に子どもの頃おっさんが見せてくれた海の星の種明かしも教えてもらおうと思っている。海の星はおっさんが海面にバケツの海水をぶちまけると一瞬キラキラと現れた透明な青い海面の光のことである。
「海の星」ドラマのキャスト
主演 浜崎洋平:伊藤淳史
浜崎洋平少年時代:加藤清史郎
浜崎佳子(洋平の母):若村麻由美
浜崎秀夫(洋平の父):橋本じゅん
浜崎友美(洋平の妻):紺野まひる
浜崎太一(洋平の息子):五十嵐陽向
浜崎家大叔父:モト冬樹
ドラマになるというニュースを見て、また望郷を読み直しました。ドラマは「みかんの花」「海の星」「雲の糸」の3つのオムニバスということであったけれど、どれがどのタイトルかははっきり思い出せなかったものの、伊藤淳史さんはきっと、「おっさん」が出てくる話の主演だとすぐに思いました。わたしの中ではイメージがよく似合っています。
「おっさん」の役は椎名桔平さんということですが、こちらはわたしのおっさんのイメージよりずっとスマートですね。
漁師をしている地元のおっさん。漁師というと、まあ、イメージですが、大きな声で地元の中でも漁師さん特有の独特の話し方をし、日に焼けていて、がっちり体型で、タバコをくわえていて、手が大きくて指が太くて、、、といった感じで線が細いイメージの椎名さんの見た目だと、同じ行動でもまたぜんぜん違った印象やメッセージを発するおっさんになるなと思いました。
浜崎家大叔父という人物は小説には出てこないけれど失踪した夫を待ち続けている洋平の母に、親切心からとはいえ傷つけることを言う人の代表なのかなと考えましたが。。。
わたしはこの物語をのタイトルを覚えていなかったにもかかわらず、読んだ時にはタイトルから読み始めたわけで、その時点ですでに何らかの物語のイメージが自分の中にはあったはずであってタイトルの言葉ではなくそのイメージを覚えていたのかなと思います。「海の星」とだけ聞くと、ヒトデ?とちょっと思ってしまいますが、望郷の中で海の星は、みかんの花に続く2番目に配置されていて、そこが瀬戸内海の島で本土との間に大きな橋が架かっていることは十分知っていて読みはじめることになります。また海の星で夜の橋がライトアップされていてきれいな夜景であることも描かれていて、光なのかな、というイメージのほうがしっくりきます。わたしは子どもの頃にみた海岸で星を拾っているイラストを思い出しました。そのイラストがとても好きでした。それもまたこの物語をいちばんおもしろく思った理由かもしれません。物語の中の海の星は一瞬で消えてしまうもので、イラストとは全く違うものではあるのですが。
ドラマを見るのが楽しみです。
原作とはどの辺が変わるのか。。。
きっとドラマを見たらまた感想を誰かに話したくなってしまいますね。。。
ところで、美咲からのはがきに「お父さん」のことでどうしてもお伝えしたいことがある、のお父さんが、主人公の気持ち通り、すっかりおっさんのことだと思って読み進めてしまったが、教師をしている美咲が自分の父親のことをはがきにお父さんと書くわけはなく、ここで洋平の父のことだとヘンに思わなかった自分がくやしい(笑)。たいていの読者はここで気づいてたのかな。
望郷 [ 湊かなえ ]
|
関連記事: